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動的平衡の記録
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著者は旧皇族の竹田家の生まれで、明治天皇の玄孫にあたる。

たまたま今年1月に、辛酸なめこ氏との共著「皇室へのソボクなギモン」を読んで面白かったので、続けて「語られなかった皇族たちの真実」「日本はなぜ世界でいちばん人気があるのか」を読みました。
どれも非常に面白く、天皇制についても深く考えたことなどほとんどなかったにもかかわらず素直に読めて、いろいろ考えさせられました。
その竹田氏が脱原発の本を出したとあっては気にならないはずがありません。

その生まれから皇統保守であり、自ら「竹田研究会」を主催し古事記の研究をされている。
が、高校時代のディベートでインハイに出場した時のテーマが「日本国政府は原子力発電を禁止すべきである」だったという。このテーマにそって是か非かを討論するために推進派と反対派の本を大量に読破しその結果原発は日本にふさわしくないとの結論に至ったそうです。
筋金入りの反原発派であり市民活動の経験も長い。
そして「保守=原発推進」「左翼=原発反対」のいびつな構造にふれ、保守であっても、いや保守だからこそ原発は認めることができないという。
本書のデータはすべて推進派が使用しているデータを元にしている。
原発の嘘を推進派のデータをもとに暴いてゆき、著者のふさわしくないという理由について語られる。

原発が日本にふさわしくないという理由
①原発の安全は労働者の死に支えられている
野宿者が放射性物質の雑巾拭きをやらされている実態を知って、学生時代にドヤ街で聞き取り調査をした。その実態は原発が年に一度の定期点検に入ると、まず最初の「除染」作業を野宿者にやらせる。雑巾で人が入れる程度にまで放射線をふき取る作業だ。そして線量が下がってから技術者が入る。毎年8万人ほどの被曝作業員がおり、そのうち社員は1万人以下である。

②国土が失われた
ひとたび事故を起こせば土地が永遠に使えなくなる。チェルノブイリの10分の1は広島型原爆50発分に当たる量だ。福島原発周辺は向こう数万年は土地を利用することができなくなった。
数万年というのは歴史的尺度からいえば永遠と同じだ。尖閣諸島も北方四島もいずれ解決する日がくるかもしれない。しかし放射能で汚染された土地は取り返したり復帰することが基本的にできない。未来永劫使えないものにしてしまった。

③原子力は神の領域を冒すもの
原子力が人間の手に負えないものであることは、高レベルの放射性廃棄物の処理問題を考えれば納得できるだろう。最短でも1万年以上、地下水から隔離した状態で保管する必要がある。
にもかかわらず最終処分場は決まっていない。半減期の極めて長いものも含まれるとなると100万年の保管が必要になる。いったい誰がその管理をするのか、経費は誰が払うのか、1万年も続いた組織など人類史にはない。

あとがきで著者はこうかいています。
抜粋
「私は本書で、原発による利益があったとしても、原発があることにより生じる不利益はあまりに大きく、いかなる利益によっても正当化されないという立場に立ち、その理由の詳細を説明してきた。(中略)本書を執筆するに当たり、特に保守の価値観を持つ人が否定できないように立論してきたつもりだ。したがって、保守の人が私の反原発論を否定すると、何かおかしくなるようになっている。(後略)」

ぜひとも保守の方々に読んでもらいたい本です。

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