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動的平衡の記録
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「原発社会からの離脱 宮台真司×飯田哲也」 講談社現代新書
もんじゅ君おすすめの本からです。

非常にわかりやすく原子力の歴史を紐解いてくれます。
飯田氏の自伝のように感じる部分もあり、それがまた興味深い。
原子力を目指し、原子力ムラで仕事をし、何に疑問を抱き、
どうして自然エネルギーへと向かったのか。
スウェーデンでの研究の経験、高木仁三郎との出会い、
尊敬はしているけれども原子力ムラの構造も知ってしまっているので
彼のやり方では原子力ムラは変わらないという実感。

欧州の自然エネルギー政策はチェルノブイリがきっかけになっているが、
その導入方法は各国によりかなりの違いがあり、それぞれの国の特徴が出ている。

先日のニコ生で宮台氏の言われていた、共同体自治の話も出てきます。
ヨーロッパでできる市民社会の政治参加がなぜ日本では正常に機能しないのか。

これについては5年ほど前に「平らな国デンマーク」高田ケラー有子著を読んで
衝撃を受けていましたので、すんなりと納得。
高福祉、高税率、のデンマークがなぜ幸福度が高いのか、市民の政治への関心と監視の高さ。自分たちの納めている税金がどのように使われるかに常にチェック機能が働いている。
さらにNHKの特集でのフレキシブルな法律の変更や条令の成立、
たとえば育児休暇は夫婦が1日置きにとる事ができるため夫婦共働きでも
仕事を辞める必要がなく、どちらも仕事を継続できる、等々。
それに対しての政治家の言葉が「私たちの生活をより幸福にするために行っているのです」
衝撃でした。こんなことを言う政治家は日本には永久に現れないだろうという
一種絶望にも似たものを感じた記憶があります。
人間のレベルが違うというか…。

日本は歴史的に市民が政治に強い関心を持ったことがあまりないのではないでしょうか。
開国以前はお上による統治で政治はおまかせだったし、
開国期に多少あったかもしれないが、ある程度の知識階層に限られていました。
サラリーマンは所得税が給与から既に引かれているので、やはりおまかせ感が強そう。
確定申告自分でする人は収入が他にもある人くらいでしょう。
ほとんどは年末調整でおまかせです。
税金に関しては日本では「とられている」という意識が強い。
自分たちのために納めて、使用方法をチェックする、と考えている割合はどれくらいだろう。
私自身ノンポリ(死語)で流されて生きてきました。反省中です。

宮台氏の言う「共同体自治」とはそういった行政への関心を市民が自ら持ち続けることを
指しているのだと思います。が、これは結構大変なことです。
地域社会の結びつきを深くし、共同体の力をつけていかなければ
今回の事故を教訓にしたシステムの変更はできない、ということ。
結局原子力が自然エネルギーに変わっただけで、そこにまた利権が発生してしまう。
構造自体を変化させなければならない、ということだと思います。

ただ、電力の問題ではない、社会構造を変えていかなくてはならない。
その覚悟が必要だと説いています。

「平らな国デンマーク」はJMMのエッセイでしたので以下で読むことができます。↓
http://www.jmm.co.jp/dynamic/report/title2_1.html

管首相支持のユニークな記事がありましたので↓この視点も大切かと。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/16313

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