Posted 5月 13th 2011
http://infosecurity.jp/archives/10174
長野県松本市のNGOグループによるチェルノブイリ原発事故の医療支援活動に参加し、放射能汚染地域における小児甲状腺の検診を始めとする支援活動を行っている菅谷(すげのや)昭・元信州大学医学部第二外科助教授が、チェルノブイリ事故後にとったポーランド政府の対応について「大変素晴らしいことをした」と絶賛し、日本の原発事故後の対策として参考にすべきと述べている。
ポーランド政府がとった対応は以下のもの、
『小児甲状腺がんの現状-菅谷昭・元信州大学医学部第二外科助教授
対策として、これも本当、その被害の放射線に対する汚染予防対策ですけれども、5月の15日までは、乳牛に新鮮な牧草を与えることを全国的に禁止するっていうことで、結局この牧草の中に放射性のヨードが舞い降りてますからそれを食べた乳牛のお乳の中に放射性ヨードが含まれるから、そういう意味でもって牧草を与えることを禁止したってことですね。それから1000ベクレル/リットル以上の汚染ミルクを子供や妊娠授乳中の女性が飲むことを禁止。事故当時国境沿いのポーランドでも数億ベクレル/リットルのミルクがあったそうですから、かなりポーランドでも汚染されたわけですね。こういう中でもって子供はもちろんのこと、授乳中の場合でもお母さんが汚染ミルクを飲みますと、お乳から口から子供にいくわけですから、そういう意味で禁止して。4歳以下の子供には乳牛のお乳がなくて粉ミルクを飲ませると、まずいですけどもねでも粉ミルクを飲ませて、これも良かったですね、子供や妊娠授乳中新鮮な葉菜類、葉物の野菜を採らないように。こういうことを初期に対策したもんですから、もちろん4日目ですけども、遅れてるんですけれども、結果としては現在ポーランドでは小児の甲状腺ガンが増えてないということで、初期にきちんと対策すれば甲状腺のガンに関しては対策がなされると発生しませんけれども、もちろんそれ以外のセシウム、ストロンチウムそういうものに関しては、まったく別の問題でありまして、ひとつ事故が起きた場合には、そこに住めないわけですから全部退去ですからこの場合はあくまでも、子供の甲状腺のガンの発生に関してはこういう対策をしたら防げるということであります。』
ポーランドは国内での牛乳を禁止して、すべて輸入粉ミルクに変えたため甲状腺癌の増加がなかった。社団法人日本核医学会もポーランドの政策を評価をしている。
『ポーランドが国を挙げて安定ヨウ素剤を全ポーランドの小児の90%に一回だけ配布いたしました。そうしなかった隣国のウクライナやベラルーシでは小児の甲状腺癌が増加したのに対して、結果的にポーランドでは甲状腺癌増加は認められませんでした。しかし、1)内陸国のウクライナやベラルーシは食物や土壌中のヨードが少なく、もともと国民的にヨード欠乏状態であったのに対し、ポーランドは海沿いの国でさほどヨード欠乏状態ではなく、2)ポーランドは国内での牛乳を禁止して、すべて輸入粉ミルクに変えたという処置も行っています。これらの多くの処置がかみ合い、結果としてポーランドでは甲状腺癌の増加がなかったのです。』
粉ミルクだけではなく、国家の総力をあげて汚染されてない地域から食料の緊急輸入を行い、国民の健康を守ったポーランド。
一方、日本では、4月下旬に、福島市の酪農会館で消費の拡大を目指すイベント「がんばろう ふくしま!福島県産牛乳」が開催され、佐藤雄平知事の「牛乳で福島県は元気になるぞ」との発声を合図に、 関係者がコップに入った県産牛乳を飲み干し、安全をPRした。
[47news.jp-牛乳で福島県は元気になるぞ]
http://www.47news.jp/CN/201104/CN2011042601000904.html
なぜ消費者を守ろうという発想がないのか本当に不思議です。
国が国民ではなく業界、生産者を守ることばかりに力を入れていることに疑問を感じざるを得ません。
医療事故、水俣、エイズ、肝炎、食品産地偽装、事故米、毒餃子、うなぎ、消費期限偽造、耐震偽装、すぐに思いつくだけでもけっこうあります。
過去から学ぶことがないのでしょうか?
「水に流す」という気質が災いしてるのでしょうか?
海外の国々となにが違うのでしょうか?
アメリカにはサリドマイド児がいません。
FDAのケルシー女史が許可しなかったのです。
承認をせっつかれる中、保留にし1年が過ぎ、
もうこれ以上は保留にできないと感じていた頃
「妊娠中に服用した母親から奇形児が生まれている」
という報告があり製品回収になりました。
こうした英断をくだす人がこの国にはいないのでしょうか?
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