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動的平衡の記録
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もんじゅ君オススメ本です。

生物学に興味を持った頃、この柳澤桂子氏と中村桂子氏の本を読み漁っていました。
当時ご病気だった柳澤氏はだんだん宗教へ傾倒するようになっていき、
しばらく読んでいませんでした。図らずもお二人とも「桂子」、不思議な感じがしました。
中村桂子氏はNHK市民大学などの講義もあり、コンスタントに著作を読んでいました。

この文庫は1988年に発行されたものをもとに大幅に足された内容になっています。
当時はチェルノブイリ事故について書かれた物でありますが、
その後の東海村の事故などにも言及されています。
分子生物学者としての目線から、放射能がDNAにどのような損傷をもたらすのか
平板な言葉でわかりやすく書いてくださってます。

癌細胞の分裂には免疫細胞との戦いがあり、一塊の癌細胞として発見されるまでには
何十年もかかるということ。
分裂していない細胞ではDNAはたたまれて小さくなっているため放射線の影響を受けにくいが盛んに細胞分裂しているものはDNAは長く伸びて半分に分かれそれぞれが複製を作る作業をしている、その時ほど放射線の作用を受けやすい。たたまれたテープを切るより伸ばしたテープを切るほうがずっと簡単です。
したがって盛んに細胞分裂しているところほど放射線に弱いということになります。
大人では骨髄などです。それが白血病になったりします。
子どもでは事態はもっと深刻です。
大人の生殖細胞がDNAの損傷を受けると、その損傷は子どもの身体を作るすべての細胞にコピーされていきます。重大なミスであれば生まれてくることができません。
胚や胎児に対する放射線の影響は、受精後どの時期に放射線を浴びるかで違ってきます。

また海産物などの濃縮係数なども表になっており、非常にわかりやすいです。

そしてやはり核分裂生成物のこと。このどう処理するかもわからない核のごみ、
未来への負の遺産を作り続けている恐ろしさ。
強い意志を持って原発は必要ない、と説いています。

たくさんの人が警告を発していたにもかかわらず、警告されていた通りの事態が
現在起きてしまっているという苦い気持ちにもなりました。

解説には先ごろ閉鎖された英セラフィールド再処理工場の海への汚染資料も載っています。
東電が唯一の顧客だったセラフィールド再処理工場は、
欧州各国ではすでにプルサーマル事業から撤退していたことを物語っています。
そしてここで再処理されたガラス固化体が現在海を渡って日本へと向かっています。
これは六ヶ所村へ運ばれるのでしょうか?
いずれにしても、処理の定まらない核のごみが日本中にたくさんあるということです。

以前ブログで紹介した藤波心さんの
「私たちは原発によって支えられていたんじゃなく、
何も知らない私たちが原発を支えていたんだと思う。」
というツイートを思い出します。

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